生皮は熱・水分・微生物に対して不安定な生体組織である。
一方、革は安定化処理を経た後、分子運動が制限された構造固定状態にある。
指標値は構造安定領域の変化を反映する。
革では、
という構造的変化が起きている。
この状態は、未処理皮の「可逆的膨潤状態」とは異なり、構造が準安定的に固定された材料状態といえる。
革は水中加熱に対して高い構造保持性を示す。これは分子運動の自由度が制限されているためである。
重要なのは数値ではなく、構造安定領域が拡大していることである。
革は水中で膨潤するが、構造崩壊や急激な溶解は起こらない。
これは、
という構造安定性に由来する。
革は未処理皮と比較して微生物分解に対する抵抗性が高い。
これは材料内部構造が安定化され、酵素が分子間へアクセスしにくくなっているためである。
革とは、安定化処理後のコラーゲン三次元ネットワークが、熱・水分・微生物に対して構造保持可能な状態にある材料と定義できる。
ここで扱うのは「どう安定化したか」ではない。
「安定化された結果、どのような材料状態になったか」である。
革は、生体組織を安定化した結果として成立する構造材料である。