革の主成分は真皮(dermis)中のコラーゲンであり、牛革では乾燥重量の約90%前後を占める。
コラーゲン分子は、Gly–X–Y の繰り返し配列を持つポリペプチド鎖3本からなる三重らせん構造(triple helix)を形成する。X,およびYは主にプロリン、ヒドロキシプロリンが多く、水素結合によって安定化される。
この分子規則性が、
を決定する。
三重らせん分子は自己集合し、周期的縞構造(約67 nm周期)を持つ原線維(fibril)を形成する。
この規則配列が力学応答の基礎となる。
フィブリルが集合し、繊維(fiber)、さらに繊維束(fiber bundle)を形成する。
繊維束は完全な一方向配向ではなく、部位ごとに配向性を持ちながら三次元的に絡み合う。
繊維束が立体的に絡み合うことで、多孔質ネットワーク構造が形成される。
この構造により、
という特性が生まれる。
革の物性は、分子レベルから繊維束レベルまでが連続的に結合した構造に由来する。

図:コラーゲンの階層構造