日本の皮革技術を支えて70年NPO法人日本皮革技術協会監修
Leather Knowledge Project

革の力学特性

なぜ革は長く使えるのか

革は強度だけでなく、強靭性(toughness)に優れる材料である。

1.引張強さ、引裂き強さと強靭性

革は、コラーゲン繊維束が三次元的に絡み合った構造を持っている。

この構造により、

  • 高い引張強さ
  • 破断までの大きな伸び(延性)
  • 破壊前にエネルギーを吸収する能力

を兼ね備える。

材料工学的には、革は強靭性(toughness)の高い材料といえる。
単に「硬い」「強い」素材ではなく、力を受け止めながら変形し、破断しにくい特性を持つ。
この特性が、靴やバッグなど、繰り返し荷重を受ける製品に適している理由である。

耐屈曲性(フレックス耐性)

革製品は、使用中に何度も折り曲げられる。
靴の甲部分、バッグの可動部、衣料の関節部分などがその例である。

革は繊維束間に微細な空隙を持つため、

  • 繰り返し屈曲に強い
  • 亀裂が急激に進展しにくい
  • 疲労破壊に対する耐性が高い

という特性を示す。

これは均質なフィルム材料とは異なる挙動である。
革は微細構造が力を分散させるため、局所的な損傷が全体破壊に直結しにくい素材といえる。