日本の皮革技術を支えて70年NPO法人日本皮革技術協会監修
Leather Knowledge Project

基本概念

基本概念

  • 皮(Hide / Skin)

    動物の体表を覆う生体組織であり、主として真皮層に含まれるコラーゲン繊維から構成される材料。
    未処理の状態では高い含水率を持ち、腐敗や熱収縮に対して不安定である。
    一般大形動物の皮をHide、小形動物の皮をSkinと呼ぶ。
    関連:原料構造と副産物の位置づけ(基本概念)、皮革製造の科学(工程)、革の材料科学的特性(特性)

  • 革(Leather)

    皮をなめし処理によって化学的または物理化学的に安定化した材料。
    コラーゲン分子間に架橋を形成することで、腐敗および熱収縮に対する抵抗性が付与される。
    天然由来であるが、加工によって成立する材料である。
    (JIS K 6541:2024 に準拠)

  • 原皮(Raw Hide)

    と畜後、なめし工程に供される前の未加工の皮。
    塩蔵、乾燥、冷却などによって一時的に保存されるが、化学的安定化は施されていない。
    製革工程の出発材料である。
    (JIS概念に整合)

  • なめし(Tanning)

    皮に化学的または物理化学的処理を施し、腐敗および熱収縮(コラーゲンの熱変性)に対する抵抗性を付与する操作。
    主としてコラーゲン分子間に架橋を形成し、分子構造の自由度を制限することで材料を安定化させる。革を成立させる中核工程である。
    (JIS K 6541:2024 に準拠)

  • 製革(Leather Manufacturing)

    原皮をなめし処理し、必要に応じて再なめし、染色、加脂、乾燥、仕上げなどを行い、革へと加工する一連の工程。
    分子安定化、構造制御、表面機能付与を統合した材料変換プロセスである。

  • 副産物(By-product)

    主製品の生産工程において技術的・経済的に不可避的に発生する産出物。皮は食肉生産に伴う副産物であり、革はその有効利用形態の一つである。
    副産物であることは価値の低さを意味せず、資源循環の観点から重要な位置を占める。

  • 階層材料(Hierarchical Material)

    分子レベル、フィブリルレベル、繊維束レベル、マクロ構造レベルが相互作用し、階層間結合によって物性が発現する材料。
    革は分子架橋による安定化層、繊維ネットワークによる内部構造層、仕上げによる表面機能層から構成される階層材料である。