日本の皮革技術を支えて70年NPO法人日本皮革技術協会監修
Leather Knowledge Project

材料特性

材料特性

  • 架橋(Crosslinking)

    コラーゲン分子間に形成される化学的または物理化学的結合。
    架橋は共有結合的架橋および配位結合、静電相互作用、水素結合など多様な相互作用形態を含む。架橋の形成により分子の自由度が制限され、熱収縮抵抗性や耐久性が向上する。
    なめしは架橋を導入する操作であり、その密度や分布が革の物性を規定する。

  • 液中熱収縮温度(Shrinkage Temperature)

    水中で加熱した際に革が急激に収縮を開始する温度。
    コラーゲンの熱安定性を示す指標であり、なめしによる安定化の程度を評価する代表的試験値である。一般に、架橋が進むほど収縮温度は上昇する。
    (JIS・IULTCS試験法に整合)

  • 弾性率(Elastic Modulus)

    材料が外力を受けた際の変形しにくさを示す物性値。
    革では繊維束構造、架橋密度、含水率などが弾性率に影響する。
    用途に応じて適切な剛性設計が求められる。

  • 耐屈曲性(Flex Resistance)

    繰り返し曲げ変形に対する耐性を示す特性。
    靴や鞄などの用途では重要な性能指標であり、加脂や仕上げ設計、内部構造の均一性が影響する。試験機による繰返し屈曲試験で評価される。

  • 染色堅ろう度(Color Fastness)

    染色された革の色が摩擦、光、汗、水などの作用に対してどの程度保持されるかを示す指標。
    用途や使用環境に応じた評価が行われ、染料選択や仕上げ設計と密接に関係する。
    (JIS・ISO試験法に整合)

  • 含水率(Moisture Content)

    材料中に含まれる水分の割合。
    革は吸湿性材料であり、含水率は柔軟性や弾性率、寸法安定性に影響する。
    環境条件によって変動するため、物性評価において考慮すべき要素である。