日本の皮革技術を支えて70年NPO法人日本皮革技術協会監修
Leather Knowledge Project

食料生産から製品化までの連関構造

革は、次のような連続した工程を経て製品となる。

  1. 食肉処理
  2. 皮の回収
  3. 保存処理(塩蔵などによる腐敗防止)
  4. なめし加工
  5. 製品化

皮の乾燥重量の約90%程度はコラーゲンである。
コラーゲンは三重らせん構造(triple helix)を持つ繊維状タンパク質であり、分子は規則的に集合してフィブリルを形成し、さらに繊維束として三次元ネットワークを構築する。

しかし、生皮は水分を65~70%程度含む高水和状態にあり、この構造は熱力学的に準安定である。
水和状態に依存した分子間相互作用は可逆的であり、加熱や微生物作用により容易に変性する。

なめしとは、このコラーゲンネットワークに架橋的相互作用を導入し、自由エネルギー地形を再構築する操作である。
その結果、腐敗しやすい生体組織は、熱収縮抵抗性と耐久性を備えた構造材料へ転換される。

革は生体由来材料であり、材料工学的処理を経て成立する。