日本の皮革技術を支えて70年NPO法人日本皮革技術協会監修
Leather Knowledge Project

製革工程の環境負荷

なめし工程はどのように管理されているか

製革は水使用型の化学工程である。評価すべきは「使用の有無」ではなく、「管理水準」である。

水使用と排水管理

主要評価指標は、

  • BOD(生物化学的酸素要求量)
  • COD(化学的酸素要求量)
  • SS(浮遊物質)
  • 硫化物
  • 全クロム

である。

現代の工場では、凝集沈殿、生物処理、クロム回収などにより規制値以下まで低減される。
環境負荷は工程の存在そのものではなく、処理性能に依存する。

クロムなめし

使用されるのは3価クロム(Cr³⁺)である。
6価クロム(Cr⁶⁺)は、有害性が報告されている物質であるが、工程で使用されるものではない。
酸化条件下で生成する可能性があるため規制対象となる。
ただし、適正な製造管理を行えば、6価クロム生成は抑制できる。

評価は「クロムの有無」ではなく、

  • 固定率
  • 回収率
  • 工程管理

によって行われる。
近年ではクロム回収技術が向上し、未固定クロムの再利用が進んでいる。

固形副産物とスラッジ管理

製革工程では、トリミング屑、床皮、フレッシング残渣、排水処理スラッジなどが発生する。

これらは単純廃棄されるだけではなく、

  • 飼料原料
  • 肥料
  • ゼラチン・コラーゲン製品
  • エネルギー回収

などへ活用されている。

発生そのものではなく、処理設計が評価対象となる。

エネルギー投入

乾燥工程および排水処理はエネルギー消費源である。
CO₂排出量はエネルギー源(化石燃料・再エネ)に依存する。

 

したがって、製革工程の評価は、工程設計に依存する。