皮は発生後、必ず何らかの処理経路へ移行する。
環境評価は、「利用するか否か」というのではなく、複数の処理経路間の比較問題である。
主要経路は以下の四類型に整理できる。
なめし工程を経て、コラーゲン三次元ネットワークを安定化し、構造材料として長期保持する経路である。
特徴:
炭素は材料中に一定期間保持される。
ただし、最終的には廃棄段階が存在するため、評価は使用期間と廃棄シナリオを含めて行う必要がある。
一部の原皮や床皮は、直接ゼラチン・コラーゲン製造工程へ供給される。
この経路では、
を経て、コラーゲン由来タンパク質を可溶化・分離する。
ゼラチン抽出は、
である。
生成物は、
に利用される。
この経路では炭素は長期固定されず、比較的短いライフサイクルを持つ。
しかし副産物を高付加価値タンパク質へ転換する経路である。
評価においては、
を含める必要がある。
レンダリングは動物副産物を加熱・乾燥処理し、
へ分離する工程である。
エネルギー投入を伴うが、飼料・燃料・工業用途原料として再利用される。
この経路は、油脂およびタンパク質を回収する工程である。
評価は、
を考慮する必要がある。
活用・資源化が行われない場合、焼却または埋立が選択される。
焼却では即時酸化によりCO₂が排出される。高含水有機物の場合、補助燃料が必要となる場合もある。
埋立では、分解過程でメタンが発生する可能性がある。処理施設の構造により回収効率は異なる。
この経路では材料保持も高付加価値回収も行われない。
革・ゼラチン・レンダリングは、いずれも副産物を「廃棄以外の経路」に導く方法である。
比較すべき指標は:
である。
重要なのは、「革利用か否か」ではなく、複数経路の中で、各処理構造の排出・保持期間・代替効果を比較する問題である。
日本では、動物副産物を大量に処理可能な施設は限定的であり、処理能力には物理的制約が存在する。
したがって、処理構造全体を視野に入れた評価が必要である。
これら複数の処理経路を定量的に比較するための手法が、ライフサイクルアセスメント(LCA)である。
次節では、その方法論を整理する。