日本の皮革技術を支えて70年NPO法人日本皮革技術協会監修
Leather Knowledge Project

なめしと安全性

なめしと安全性

  • クロムなめしは危険か?

    現在主流のクロムなめしでは3価クロム(Cr(III))が使用される。Cr(III)はコラーゲンのカルボキシル基と配位結合を形成し、繊維構造を安定化させる。

    6価クロム(Cr(VI))は強酸化条件、高温、紫外線、乾燥など不適切な保管条件下で生成する場合がある。現在では、6価クロムに変換しないような製造法が広がっており、工程管理・湿度管理・規格試験によって管理される。

    本質的論点は物質の存在ではなく、管理体制の適正性である。

    詳しくは:「 皮革製造の科学 」を参照

  • 6価クロムは革製品中に存在するか?

    適正製造管理下で生産された製品には含まれない。
    国際規格・EU規制(REACH Annex XVII 等)に基づき試験管理が行われる。
    安全性は規格と試験体制によって担保される。

    詳しくは:「 皮革製造の科学 」を参照

  • 植物タンニンなめしとの構造差は?

    クロムなめしは金属配位架橋を基盤とする。
    植物タンニンなめしはポリフェノールとコラーゲンとの多点相互作用を基盤とする。

    結果として、
    • 収縮温度
    • 剛性
    • 吸湿挙動
    • 経年変化特性
    が異なる。

    詳しくは:「 皮革製造の科学 」を参照

  • 収縮温度とは何を示すか?

    液中で加熱したときに急激な収縮が始まる温度を指し、JISでは「液中熱収縮温度」という。
    コラーゲンの熱安定性指標であり、なめし度評価の代表的物性値である。
    収縮温度の上昇は分子間安定化の進行を示す。

    詳しくは:「 革の材料科学的特性 」を参照